彼は(Yとしよう)私と同じ大学で隣のクラス。
サークルなんかが同じでものすごく気の合ういい男友達だった。

入学したての頃は向こうに彼女が居て、
あたしは「うりうり」とそれをつついて遊んでみたりするだけで、
恋愛対象としてみたことはなかった。
二年になって、中学の時のクラス会があり、
そこで久々に会った今のダンナと再開、
ベタベタに恋愛にはまる。

そのころあたしはもちろん大好きだったけど、
それ以上にダンナはあたしにメロメロでおまけに嫉妬深く、
数多くいた男友達とも殆ど疎遠になった。

結局ダンナとはそのまま4年間つきあって結婚。
Yは結婚パーティにも来てくれた。

すぐ長男が生まれたが、ダンナは長男誕生と同時に新入社員として入社して、
仕事と家庭をいっぺんに見なければいけなくなった。
あたしはひ弱な長男を育てるのでいっぱいいっぱいになり、
なかなか寝ない長男にノイローゼ気味に。
あたしは妻で母だけど女なのよ〜!!というあたしの叫びも、
仕事で疲れたダンナにはあまり届かず、
そんなころ、大学時代の友人の結婚パーティがあり、Yと久々に再開する。

彼は「オレはこっこの事、好きだったけど、お前にはあのころからダンナがいたもんな」という。
勿論Yにも彼女はいたりいなったりしたので、
別にあたしのこと一途なわけではないはずだけど、
ココロの底に好きという気持ちはずっとあったと。

彼は優しかった。そして男っぽかった。
ダンナはどちらかというと口べたな方で、
欲しい言葉を欲しいときに言ってもらえた試しがない。
たとえば美味しいご飯を作ったとき、
美味しいとは叫ばずに黙々と食べ続ける。
妻が今日はキレイだと思ったら、
言葉を失ってニコニコする。そういうタイプだ。

でもYは違う。
欲しいときに欲しい言葉をくれる。
妻と母ばかりを求められ、自分自身の女を見失い掛けていたあたしには、
砂漠で水をこぼしたように、そんな言葉は吸い込まれていった。

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